翌日からの道東旅行を控えて家で静かに過ごすつもりだった土曜日、全道的に快晴との天気予報を見ているとどうしても我慢できず、キロロスキー場のゴンドラに乗って山の上の散歩を楽しんでくることにする。
ところが快晴の予報にもかかわらず、朝里から毛無峠へ向かっていると、雲がどんどん広がってきて、キロロスキー場に着く頃には完全に曇に覆われてしまった。
今年は本当に天気に恵まれない。
雲に隠れそうになる山頂駅へと登っていくゴンドラに乗っていると、片道1000円の料金がとても高いものに感じられてしまう。
幸い、雲は山頂駅よりも高いところにかかっているので、見通しはそれほど悪くはない。
ただ、風が強くて、上空の雲がものすごい速さで流されていく。
ロープの柵をくぐり抜けてバックカントリーの世界に足を踏み入れる。
バックカントリーと言っても、キロロスキー場の場合は、ゴンドラ山頂駅から上には通称飛行場とも呼ばれるなだらかな傾斜の広大な雪原が広がっているだけだ。
ただ、この何もない雪原が曲者で、視界が悪くなると直ぐに方向を見失ってしまい、安易な気持ちで入り込むと重大な事故を招いてしまうことになりかねない。
今日のように風が強いと、自分の歩いたトレースも直ぐに消えてしまうのだ。
時々、雲が引き千切られるように消えた後に青空が現れることもあるけれど、直ぐにまた雲に覆われてしまう。
そんな天気の中、朝里岳には札幌国際スキー場側から一度登っているので、今日はとりあえず余市岳を目指すことにした。
もちろん、こんな天気で余市岳に登るような気持ちはさらさら無く、例え好天に恵まれたとしても、スキーで登れるかどうか自信はない。
我が家の先を歩いている人達も、余市岳を目指しているようである。
そのトレースの中を、ジャケットのフードを風で吹き飛ばされそうになりながら歩き続ける。
軽い散歩を楽しむつもりで家を出てきたのに、とてもこの状況は散歩とは言えない。
気温の高い日が続いていたので、樹木が樹氷に覆われてできたモンスターも裸になってしまったのではと気を揉んでいたけれど、そんな心配は全く無用だった。
まだまだここでは厳しい冬が続いているようだ。
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